STARTUP DESIGN

「シリアルアントレプレナーに負けないくらいの強い会社を作ろう!」が基本コンセプト

スタートアップとして初めて起業しようとしているみなさんに伝えたいこと

スタートアップという世界について、「初めて起業する人や若い人が起業しやすい環境になった」という人がよくいます。2年くらい前までなら自分もそう思っていましたし、10年前との比較で言えばそれはそうなのかもしれませんが、最近の世の中の流れを見ると、2〜3年前に起業した人たちと比べて確実に厳しい状況に近づいています。

未だにそれを言っている人がいるとしたら、そういう起業家が増えることで実益が出る人のポジショントークか、状況を正しく認識していないかのどちらかです。私自身は起業家が増えることは大歓迎ですが、前提として私自身の経験や知っている情報について、私自身も起業経験者(かつかなりの失敗をしている)だからこそ伝えられる生々しい内容を可能な限り提供するようにしています。その上でチャレンジするなら猛烈に応援しますし、知らないより絶対に知っておいた方がいいよ、というスタンスです。

なぜ新米起業家にとって厳しい環境になりつつあるのかについて少し詳しく説明します。

日本でスタートアップのエコシステムを作る動きがようやく本格化し始めたのは5年ほど前のことです。当時は「スタートアップ的な成長モデルの作り方」についてあらゆる面で情報が乏しく、ちょうどスマホという新しい文脈のテクノロジーが出てきたばかりであったことも重なって、ある意味みんな横一線からのスタートでした。

そこから数年を経て少しずつ勝ちパターンと負けパターン(特にこちらが重要)が体系化されてきて、成功する起業家も出始め、彼らは最初の起業で得た豊富で質の高い情報や人脈といった資産を武器にシリアルアントレプレナー(=連続起業家)となってまた新たなチャレンジをし始めています。

これが意味していることは何か。

スタートアップのエコシステムは彼らにとってはより有利な状況に、新米起業家にとっては相対的に不利な状況に作用し始めているということです。言い換えると、起業家が保持する質的・量的な情報格差が企業価値にダイレクトに反映される状況に近づいているとも言えます。

・共同創業者選び
・チームビルディング
・資本政策
・投資家との関係性構築
・プロダクト開発におけるコンテンツやデータの価値の見極め
・市場の見極め
・ブランディング


・そして起業家自身の価値


これらの要素に関するひとつひとつの小さな情報格差が競合に対するとても大きな企業価値の差となり、それによって調達できる資金などの選択肢が増え、さらにレバレッジを効かせることができるという話になるわけです。

「スタートラインはもはやみんな横一線では無い」という事実は正しく認識しておく必要があります。

 

新米起業家は厳しいスタートアップ環境にどう立ち向かうべきか

 

よく言われる「走りながら考えろ」というメッセージはほぼその通りなんですが、少し言葉足らずです。適切に考えて判断していくためには、その材料となる情報が必要です。

F1においてブレーキの掛け方を知らずに全速力でコーナーに突っ込んでも事故るだけなので、適切なブレーキングテクニックを身につけることで早くゴールできる、いきなりそこまでできなくても、少なくともブレーキを掛けてコーナーに入る必要がある、ということは最低限知っておきましょう。その上でF1に臨み、ドライビングのコツを掴んでいくことで、どこかで他のプレイヤーをごぼう抜きするチャンスが生まれるかもしれない。起業とはそんな感じの世界です。

ではどこに情報を求めたら良いのか?という話について。

情報格差が出てきているということは、より良質な情報を持っている人は確実にいるということです。しかもスタートアップのコミュニティは狭いので、案外身近にいたりします。それに気付いていないか近づくのをためらっているだけです。

中でもVCなどの投資家に会って話をするのは一番最速で効率は良いんですが、それだけだと正直不十分です。

スタートアップの起業経験者、それこそシリアルアントレプレナーのような人たちの所に自分から出向きましょう。

チームビルディング、プロダクト開発、資金の使い方などについて、起業の当事者として泥臭い取り組みも経験してきた人たちの言葉は、その経験に相応しく重い物です。なるべく早い段階で彼らの経験や知恵を借りて、「他の人からは出てこないような性質の」情報格差を埋める。

これは少し時間も掛かる作業なので、そういうことをやっているくらいならプロダクト開発をしていたいという思いを持つ人もいるかと思います。しかしこれは、確実に会社に価値をもたらす、経営者としてやるべき仕事です。

その上で、情報の洪水の中から判断を下すことに対して責任を持つこと。そして実行すると決めたら、ためらわず果敢に実行にすることが重要です。

 

私自身のスタートアップに対する課題感について

 

なんらかの経営判断によって作用する力学について、起業家の間での認知がまだまだ全然進んでいない印象です。これはシード・アーリーの起業家からいろんな状況に関する相談を受ける中で感じた、スタートアップのエコシステムに対しての強烈な課題感です。私が初めて起業した5年前と現在とで、その状況はほとんど変わっていないなぁと思っています。

判断に足るだけの適切な情報が手元にある上でどういう判断をするかはその人の責任ですが、そもそもの適切な情報が(それを届けられる位置で起業家を見ている人たちが多数いるにも関わらず)届いているとはあまり思えません

5年前から現在に至る過程で私自身がしたような失敗と同じ失敗をしていたり、崖の一歩手前にいる起業家が本当に多い。一方で、あとこの部分さえ引き上げられればまだまだ可能性がありそうという起業家もたくさん見てきています。

私もスタートアップのエコシステムの末端にいる人間として、微力ながらそういう彼らを支援していきたいと考えています。

 

イベント告知など

 

というわけで、10/2(金)の夜にシード・アーリーの起業家のみなさんを対象にしたイベントを行います!

peatix.com



グロービス・キャピタル・パートナーズの高宮さん、TechCrunch Japanの岩本さんにもご登壇いただく予定です。起業家、投資家、メディアそれぞれから見たスタートアップの景色について熱量高くお伝えできればと思っています。

こちらのイベントについて興味がある方はぜひご参加ください!(残席が少ないのでお急ぎください!)